前回の『独白③』はこちらから。
もう、「普通」の幸せを手にすることはできない。
それは高校生の自分にとって、すごく大きな衝撃だった。
そしてこうも思った。
もう、誰のことも好きになってはいけない。
自分の恋愛は、二度と叶わない、と。
女の子も好きになるかもしれない、という希望はあった。
事実、過去の自分には好きな異性がいた。
でも、同性の友達を、こんなにも強く好きになってしまった。
この一件がきっかけで、自分は女性よりも男性の方へ惹かれることが分かった。
その割合は非常にあいまいなものだ。
この先、この時と同じくらい強い気持ちを、異性に対して持てるとは思えなかった。
でも、こんなに将来に絶望しても、
死にたいと思っても
好きだった彼と、遊んでいるときは本当に楽しかった。
いっそ、あいつも俺のことが好きだったら、どれだけ幸せなんだろう。
そんなことを考えながら、毎日床に就いた。
○
毎日将来に絶望しては、彼と過ごす高校生活を楽しんでもいた。
あの頃こうやって、誰かを深く好きになってしまうことがあったから、
今の自分がある。
自分自身と向き合って、将来どうやって生きていくか
齢16にして考える機会を与えられた。
その意味では、周りより大人びていていたのではないだろうか。
高校生活について書くと、その記事は膨大になる。
でも、間違いなく、自分のルーツはそこにある。
今の自分にとって大きな転機になった高校時代を
これからも少しずつ、形にして思い出していけたらと思う。