今からもう大分前の話。一番最初の話。
きっと色んな人が経験したであろう、遠い昔の、少しだけ青いとも表現されるような
そんな話。
「もし自分が、あの頃に戻れたのなら」なんていう誰もが一度は思ったような
それ自体平凡で、なんの特別性もない気持ち。
その裏腹
昔の思い出だけは、自分にとって特別で何にも変え難いものに思えてしまう。
結果、
誰にも理解されないような、独りよがりだけがここに。
独白
○
自分が高校生の頃
最初に好きになったのは男の子だった。
高校入学前、他のみんなと同じように
彼女ができて、放課後遊んだり一緒に勉強したり、そんなことを期待していた。
所謂高校生デビューってやつで
今まで通ったこともない、おしゃれなところで髪を切ってみたり
ワックスを使ってみたり、たくさん服を買ってみたり。
少しでも自分をカッコ良く見せたかった。
きっとこういうのは、誰にでもあることなんだと思う。
今までの自分を少しでも変えたくて。
周りに良く見られたくて。
あわよくば、可愛い子と付き合いたくて。
でも、最初に好きになってしまったのは
男の子だった。
そいつは高校生になって初めてできた、友達だった。
「独白②」へ続きます。