高校生の頃15 好きだった映画

前回の記事はこちら。

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高校生の頃14 告白と、打ち明け話 好きな人に、カミングアウトをしてしまった話。打ち明けてからも何も変わらず、いつも通りでいたことに安心と、寂しさを感じてしまったこと。

では、続きです。

 

ディズニー映画で、アナと雪の女王と聞けば、誰もがすぐイメージできるものだと思う。

前情報があったわけでもないけれど、なんとなく惹かれて

高校生の頃、映画館まで見に行った。

主人公の生き様に自分自身のことが重なる部分が多く、

今でも好きな映画の一つだ。

目次

今でも好きなもの

見たかった映画

春休み、この映画がすごく見たくなって、どうせならとTに声をかけることにした。

映画がみたいと言った時、Tが一番にのってくれたからだ。

もちろんTと遊びたかったというのもある。

「映画みたい!」の一言にちゃんと答えてくれたから、嬉しかった。

 

「いつから映画通になったの笑」

「とりあえず予定わかったら教えるよ」

そんな流れになりつつ、

「明日空いてる?アナ雪見に行こ!」

と、突然誘ってくれた。

 

学生らしい唐突なノリと勢いでだと思う。

それでも無事見に行くことが決まったから、よかった。

 

横浜にある映画館に朝の9時半集合。お昼頃の回を予約。

映画まで時間があるから、時間を潰そうにも、ショッピングモール内のお店はまだ開店前だった。

仕方なく外に出て、海辺の方へ向かいベンチで暇をつぶすことに。

学校があるのも横浜の繁華街。周りはビルだらけ。

こんな風に海辺でゆっくりすることも中々ないからか、すごくいい時間に思えた。

 

映画までまだ時間があった。

劇場近くのゲーセンに向かい、二人してクレーンゲームをする。

映画の半券で何回か無料でできるというものだった。

二人合わせて8回の挑戦で、ミッキーとミニーの大きなタオルを取ることができた。

ギフトボックスのような形で、中には大きなバスタオルと、小さなタオル。

二人で分け合うことにした。

男子高校生の二人がクレーンゲームではしゃぎ、ミッキーとミニーの可愛いタオルをシェアするっていうのもなんだか恥ずかしいような気もするけれど。

二人でタオルを広げ写真を撮ったあと、じゃんけんでどちらをもらうか決めた。

自分は小さいタオルを選んだ。

そのまま映画の時間になったので、劇場の中へ。

あの雰囲気は今も昔も好きだ。

ポップコーンの匂いがうっすらと広がっている。

入れば大きなスクリーンと、ちょっとだけ良さげな座椅子。

薄暗い空間が絶妙に落ち着く。非日常的で、とてもワクワクする。

その気持ちは幼い時家族で映画を見た時からずっと変わらない。

 

高校生の自分からすれば、友達とすることと言えばカラオケやご飯くらいで

こんな風に遊びに出かけることも少なかった。

だからこそすごく楽しくて、よく覚えている。

この時の思い出と、映画のストーリーも合わせて印象的だったたからか

アナと雪の女王は今後、自分の中で一番好きなディズニー映画になった。

帰路

映画の後は、近くのショッピングモールでお昼ご飯とスタバに立ち寄り、この日は解散となった。

フードコートで唐揚げの定食とうどん。

スタバは確か、モールの近くにあったTSUTAYAと一緒になっているところで。

夜までは遊べなかったけど、充実した一日になった。

Tはこのまま塾に行くということで、その手前でわかれる。

バイバイする時、手が触れ合って、ほんの少しだけ握った。

Tには自分のことを打ち明けてはいる。それでもこういうことをしてくるのだから

好きな人、というわけではなくても意識してしまう。

バイバイして少し歩を進めた先で、Tがこっちを振り返った。

たまたま自分もTの方を見ていて、目が合い、Tはニヤッと笑って手を振ってくれた。

自分も笑って、手を振りかえす。

この瞬間、すごく寂しい気持ちになった。

楽しい気持ちと、寂しさが混じっている感覚。

Tと、もっと近くにいたかった。もっと仲良くいたかった。

そんな気持ちだ。

自分は自分でいていいんだ。今日見た映画のシーンを一つずつ思い返しながら

自分も帰路についた。

思い出せるものと、気持ちと

誰かの側にいたいと思う気持ちが、どういう感情なのか説明することはきっと難しい。

すごく曖昧だ。

一括りに言葉にしてしまうと、そこには幾分か余計な意味合いまで含まれてしまいそうで、

うまく説明ができない。

一緒にいて、楽しかった。心地よかった。

それでいて、これからもこんな風に遊んだりできればいいのにと思った。

手が触れている時間も、一瞬ではあったけど、それが好きだった。

そんな風に自分に触れてくれることが嬉しかった。

 

好きな人と言えば、好きな人なんだろう。でも恋愛というものかと言えば少し違う気もする。

自分は周りの友達とは違う。

他の友達のように女の子と付き合って、結婚して家庭を築く、というような

明確なビジョンなんて持っていないし、そうなる可能性も実際低いのだと認識していた。

だからこそ、そんな普通の幸せに繋がるような、「そちら側」に行ってしまうような気配が好きになれなかった。

自分の好きな友達が、離れていってしまうようなそんな気がするから。

 

側にいたい、というのは独りになりたくないということなのだと思う。

それはきっと

幼いながらに抱いていた、エゴなんだろう。

 

続きは少々お待ちください。

 

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