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では、続きます。
○
自分のことを考えると、
なんにも変わってないな
と思うことが多い。
周りにいる人だったり
環境ばかりが変わって
その分変われない自分が、浮き彫りになる。
うまく話せないこと
初めて好きだった人と喧嘩した。
同じクラスになって、幾度と遊んで仲のいい関係ではあったけれど
ちょっとしたことで、お互い口を聞かなくなってしまった。
入学してからしばらくして、自分の周りにいる友達が皆塾に通いだした。
好きだった彼やTも含め、いつも話すメンバーの半分は同じ塾に通い、自分はその後しばらくしてから別の塾に通い出した。
多分、そういう変化が嫌だったのかもしれない。
塾に通わずに頑張ると、そんな風に言っていた彼も
あっさり他のみんなが行く塾に通うことを決めた。
他の友達がその塾の共通の話で盛り上がる中
自分はその話には入ることができなかった。
そこに丁度席替えも重なり、他の友達とは物理的にも離れてしまった。
そう言う小さな変化が重なって、自分勝手に、彼との距離を感じてしまっていたのだと思う。
好きだった相手だから、尚更だ。
そのうち彼から、
「別にお前と絡まなくても、他に話す友達いるしなぁ」
ということを、言われてしまった。
その一言がショックで、そこから引け目を感じ、あまり話もせず下校することが増えた。
○
色々なことを考えた。
自分の絡み方が、彼にとっては執拗だったのかもしれない。
好きな人と近しい距離でいたいと思うのは自然なことだ。
でも、それは好きな人に限ってのこと。
どんな距離感でいたいかは、各々感覚に違いがある。
なんだか惨めな気持ちになってしまった。
男を好きになってしまっている上に
それはきっと、片思いだ。
自分の接し方も、もしかすると彼は不快に思っているのかもしれない。
そんなことをぐるぐる考えて、
深く落ち込んだ。
そのまま話すことなく、土日を挟み週が明けた。
○
火曜日になって、彼からLINEをもらった。
「ごめん」
そう一言書いてあった。
でも、このまま有耶無耶になってしまうのが嫌で、自分の気持ちを伝えた。
――――
あの時、あんな風に言われたのがすごく嫌だった。
今まで仲良かったのに、いきなり突き放されたような、そんな気がしてしまった。
俺にもきっと謝らないといけないことがある。
でもやっぱり、君には友達が沢山いて、自分なんかと話さなくても
きっと困らない。そんな風に思っちゃったんだ。
―――
その後、こんな風に返ってきた。
―――
嫌なこと言っちゃたのは、最近話さなくて、そっけなかったから。
それで少し寂しくて、そんなことを言っちゃった。
正直言うと俺素直じゃないから…
もっと早く謝るべきだった。
LINEとかじゃなく直接。
ごめん。と、できたらこれからもよろしく。
―――
このやり取りの次の日も、結局放課後まで話すことができなかった。
席が遠いのもあったし、選択した授業も違う。
昼休みには話そう、話そうと思っていたけど、うまくいかなかった。
高校生の頃12へ続きます。